格安SIMカードが抱える問題

    
     

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必ず安くなるとは限らない

MVNOの格安SIMカードを買うことでキャリアのスマホを使うよりも格段にお買い得にスマホを使うことが出来ることが徐々に世間で認知し始められてきたようですが、ここで盲目的に安くなると思っていると、大きな落とし穴にはまる可能性があります。というのも、格安SIMをいくら安く買ったとしても、肝心のスマートフォン端末自体を格安で手に入れなくてはなりません。ただ、スマホによっては格安で買えるものと、格安で買えないものがあり、またスマホの値段も新品と中古によって価格に大きな差があります。ただスマホによっては中古スマホも新品スマホも殆ど価格が変動しないものもありますし、また新品でも突出して価格の高いスマートフォンもありますので、結果的にSIMカードは安くなったけど本体価格が上がってしまったので、キャリアでスマホを契約するのと一緒くらいになったなんて話も良くあります。実際、iPhone6はキャリアで契約するのと、SIMフリーで買うのとでは価格に大きな差がありませんし、中古市場でも1台10万円前後と非常に高額取引されています。SIMフリーになるとなんでも安くなると思いきや、本体価格だけで見た場合、必ずしもやすくなるということはありません。しかしいいスマホを買おうと思うと価格はSIMフリーであっても高くなりますが、ソコソコの性能があれば良いと、スマートフォンに対して妥協できる部分があるのであれば、それこそアンドロイドならCPU2Gで内蔵メモリ16G程度のスマホは3万円程度でいくらでも出ていますので、この辺の格安のスマートフォンにしても十分スペックは足りるはずです。

SIMカードの互換性の問題

格安SIMカードはどんな機種にも対応できていると思いがちですが、そんなことはありません。ついこの間まで日本のキャリアもSIMロックがデフォルトであった訳ですから、現在市場に出回っているスマホの半分くらいは未だにSIMロックが解除されていません。また消費者が使っているスマートフォンもSIMロックが解除されていないものはいくらでもあります。そんな日本のスマホ事情である以上、どんなスマホもSIMフリー端末になっていると思ってしまうのは少々乱暴のような気がします。日本のスマホでは格安SIMカードの互換性のないスマホもまだまだありますし、日本の格安SIMカードが海外製のSIMフリー端末との互換性がなかったなんて話はいくらでも聞きます。つまり互換性がないということは、SIMカードを入れてもスマホ、またはタブレットが正常に稼働しないということで、この状態になるとスマホやタブレットは返品するしかないか、それらと互換性のあるSIMカードを用意する必要があります。このように互換性があるかないかは、SIMカードを購入する前、もしくは端末を購入する前にそれぞれ互換性があるかどうかを確認しておくべきでしょう。せっかくスマホやタブレットを買ってもそれぞれに合致するのか、しないのかは灰汁まで実際に入れてみないとわからない事もあり、また実際に作っているメーカーもどの格安SIMカードが合致するかについては良く分からないということもあって、結局のところユーザー側の自己責任という結論に至るのです。

キャリア端末の解約の落とし穴

キャリアの携帯を解約しようとした時のトラブルは相変わらず後を絶ちません。特に「犬に騙された!」と憤慨する人を良く見かけますが、特に犬を広告に使った携帯キャリアは、他のキャリアと比較しトラブルが多い傾向にあります。昔から携帯電話の解約には何かとトラブルがつきものなのですが、それがここ数年、格安SIMカードが出てくるようになってからというもの、SIMフリーに変えるユーザーが増加してきているのか、スマホ解約のトラブルが頻発しているようです。特に多くのユーザーがスマホ解約の時にトラブルのタネになる事象として挙げているのが、2年縛りのルールやゼロ円携帯の存在であり、これが非常にわかりにくい構造になっています。たとえば購入月から起算して2年間かけてスマホ代金を分割で支払うことになる場合、初月はゼロ円であったとしても、翌月からスマホ本体価格を24で割った費用が請求額に上乗せされてきます。そして24か月以内に解約をする場合は、残りの残額を一括で支払うことと解約手数料が発生します。また2年縛りというルールもよくわからないのですが、あるキャリアの場合契約後、24か月後に迎える解約月に解約しないと、契約は自動更新され仮に25か月後に解約の申し出をしたとしても、解約手数料が発生してしまうというルールです。つまり解約したければ24か月ちょうどに解約しないとどんなことをしてでも手数料を取られるという仕組みで、非常にわかりにくく、格安SIMカードのスマホに変える際の大きな弊害となっています。

キャリアメール互換性の問題

格安SIMカードのスマートフォンに変える場合、気を付けておく必要のある事は非常に多くあるわけですが、その一つにキャリアメールがあります。キャリアメールとは携帯キャリアのドメインの付いたメールの事で、このメールの送受信ができない場合があるのです。つまりこれまで自身の携帯メールアドレスを知っている人に対して、機種変更したからもうそのキャリアメールは使えなくなりましたと、通知する必要があります。そして多くの人が勘違いしやすい事に、SIMフリー携帯に変更した事実が、頭の中で機種変更に返還されている事です。実はこれ機種変更でもありませんし、既存のキャリア乗り換えでもありません。全く新しい、MVNOという専用のSIMカードを購入し、自分自身でそのSIMカードを発行している通信業者と契約する事になるため、これまで使っていたキャリアのSIMカードは事実上不要となります。そして全く新しい格安SIMカードでスマホライフが始まるのです。従ってキャリアメールももちろんですが、これまで使っていた携帯番号も変わりますので、それらも一緒に電話帳リストの人達に通知する必要があります。このMVNOが機種変更と思ってしまう人は案外多いですし、それを指摘してくれる人も居ません。従って多くの人が格安SIMカードと格安スマホを買った後になって、機種変更ではない事に気づくのです。格安SIMカードは電話番号もメールアドレスも変わりますし、これまで使っていたメアドや携帯番号は使えなくなりますので気を付けるようにしてください。

何かと難しい格安SIMカード

流通系大手のイオングループがMVNOのスマートフォンをSIMカード付きで発売するという話を聞いた時、いったいどんな人が買うのかと疑問に思った人は案外多かったはずです。しかし実際にふたを開けてみたら、これが案外多くの中年から高齢者の間で同社のスマホを所有している人が増加しているのです。イオンの策略は見事に的中し、中年から高齢者の心をしっかりと掴みました。しかし予め強力なサポート体制を敷いていたイオンのスマホに対して、他のMVNO事業者の場合、これといった手厚いサポート体制を敷いている事業者はまだ少数であり、スマホ初心者にとってはまだまだ敷居の高いサービスであるように感じます。ところが最初から初心者サービスのサポート体制充実しているイオンのようなMVNO事業者にしておけば良いものを、ちょっと馴染のないMVNO事業者のSIMカードを買い、電気店などで購入した輸入物のスマホに入れてみて、操作したとしてもそもそも、その輸入スマホが買ってきた格安SIMカードに対応しているかもわかりませんし、操作画面の案内もすべて製造国の言葉で書かれてある為判りませんし、格安SIMカードを買った販売元に聞きたくても、問い合わせ先を持たない販売元は多くある為、自分でやってみようとせっかく買っても、初期設定も出来ずに頭を抱える人は多くいます。つまりMVNOのSIMカードや、SIMフリー端末とは、互換性においてまだまだ解明されていない事も多くあるため、スマホ初心者にとっては何かと難しいサービスなのです。スマホ初心者がMVNO事業者SIMカードや格安スマホを持つのであれば、イオンを始めとしたサポート体制が整った電気量販店のSIMカードを持つべきでしょう。

犯罪に利用されるリスク

MVNO事業者のSIMカードというのは、非常に安価ですしSIMカード自体は非常に小さくスマホに抜き差しするだけで、まるで自分の携帯のように使うことが出来ます。いくら格安SIMカードを購入する際に、本人確認を厳重に行ったとしてもMVNOの回線開通時の手続きの多くは非対面ですから、誰かの本人確認資料で手続きをしたり、偽造した本人確認資料であったとしても、フィルターの網目が緩ければ事実上通過してしまいます。つまり偽造した格安SIMカードと、使い回しのスマートフォンがあれば自分自身の素姓が一切わからずに、スマートフォンで通話したり、通信したりすることが事実上可能なのです。これは非常にリスクで、かつてあったプリペイド携帯と良く似ています。プリペイド携帯も出始めた時は誰も、犯罪利用を想定して居ませんでしたが、コンビニで購入できる上、本人確認も緩いためあらゆる犯罪に使用された経緯があります。そういった経緯から、プリペイド携帯は徐々に衰退していった経緯があるわけですが、MVNOの格安SIMカードも、プリケーと非常によく似た運命をたどる可能性が出てきています。どうしても非対面であるため、本人確認に大きな瑕疵が生まれやすいのです。今は利用するユーザーの多くを性善説で見ているMVNO事業者も、何かの犯罪に利用されたりした時は性悪説で利用者を見るようになるでしょう。そしてプリケーとおなじ運命をたどらないか、懸念するところです。そうなる前に警察とMVNO事業者が一体となった犯罪抑止の手を先に打たなくてはなりません。

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